特集 周産期(産科)の手術の工夫―筆者はこうしている
前置胎盤の手術
子宮底部横切開
柴田 貴司
1
,
西島 浩二
2
SHIBATA Takashi
1
,
NISHIJIMA Koji
2
1愛仁会高槻病院産婦人科
2新潟大学医歯学総合病院総合周産期母子医療センター
pp.1129-1135
発行日 2024年8月10日
Published Date 2024/8/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001686
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はじめに
子宮前壁を広く覆う前置癒着胎盤の場合,通常の子宮下部横切開では胎盤への切り込みを避けることは難しい。胎盤に切り込み大量出血に見舞われれば,術野は修羅場と化し,母児に致命的な失血をもたらす。この胎盤への切り込みを確実に回避する方法として,子宮底部横切開法がKotsujiらにより開発され,報告された1)。この報告以降,本術式は母児への安全性から,世界で広く用いられるようになった2)。本稿では子宮底部横切開法の利点と注意点についてこれまでの経験を踏まえて紹介する。
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