今月の臨床 急速遂娩の基本―トラブルを避けるために
急速遂娩の実際
帝王切開
3.前置胎盤・癒着胎盤の帝王切開
松原 茂樹
1
1自治医科大学産婦人科
pp.244-252
発行日 2013年3月10日
Published Date 2013/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103276
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〈前置胎盤への帝王切開のコツ〉
●丸形鉗子で子宮頸部前後唇を把持して頸部を閉鎖する : holding the cervix techni que
●可能な限りtrans-placental approachを避け,胎盤を切り込まずに済む子宮切開部を探す.
●子宮底部にしかwindowが存在せず,かつ癒着胎盤が否定できるならば,子宮下節横切開を採用する.胎盤辺縁までの距離が短いならばWard techniqueで胎盤を破らずに羊水腔へ到達できる道がないかを模索する.ただし,trans-placental approachを絶対にしない,と決めている施設はそのプロトコールに従う.
●Wardが無理と判断したならば,trans-placentalと決める.その場合も臍帯付着部位でない方向へ胎盤を破る.
●術後出血への対策を工夫する.当該施設が手慣れた方策を採用すればよい.uterine sandwichも良い方策.
●万一癒着胎盤だったらどうするか,前もって決めておく.
●前置(癒着)胎盤への産褥子宮摘出術は母体が死亡する可能性のある手術である.当該施設での経験が少ない場合には,転送も考慮する.
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