特集 これでわかる新生児呼吸管理2024
呼吸管理中のケア
呼吸管理中の栄養管理
中野 有也
1
,
白井 まどか
1
,
村川 哲郎
1
,
城所 励太
1
NAKANO Yuya
1
,
SHIRAI Madoka
1
,
MURAKAWA Tetsuro
1
,
KIDOKORO Reita
1
1昭和大学江東豊洲病院小児内科
pp.833-836
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001607
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はじめに
周産期医療の発展に伴い,ハイリスク新生児の治療成績は劇的に向上し,ここ数十年の間により小さな児が救命されるようになった。一方で,従来では治療が困難であった重症児や未熟性の強い超早産児が救命できるようになったことで,慢性肺疾患(chronic lung disease:CLD)や未熟児網膜症,遠隔期の神経学的異常などをきたす症例の頻度はむしろ増加しており,他の先進諸国と比較しても日本ではその頻度が高い傾向があることがわかっている。実際に2005年に出生した児を対象とした全国調査において,CLDの発症率は極低出生体重児の12.5%,超低出生体重児の54.0%であることが報告されており1),わが国における新生児医療の課題の一つであることが知られるようになった。本稿では,人工呼吸管理中の極低出生体重児について,特に慢性肺疾患の予防のための栄養管理,慢性肺疾患発症後の栄養管理に焦点をあて,現在の知見を概説する。
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