研究
当院における双胎間輸血症候群に対する胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術の治療成績
田上 和磨
1,2
,
今井 紀昭
1
,
宮下 進
1
,
室月 淳
1
,
齋藤 昌利
2
TAGAMI Kazuma
1,2
,
IMAI Noriaki
1
,
MIYASHITA Susumu
1
,
MUROTSUKI Jun
1
,
SAITO Masatoshi
2
1宮城県立こども病院産科
2東北大学病院産科
pp.514-517
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001525
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目 的
一絨毛膜二羊膜(monochorionic diamniotic:MD)双胎は全妊娠の0.4%と報告されている。MD双胎では1つの胎盤を共有し,吻合血管が存在することから,さまざまな合併症を生じやすく,周産期死亡率4.4~7.5%,神経学的後遺症発症率5.5~16.4%と単胎妊娠や二絨毛膜二羊膜双胎と比較し,児の生命・神経学的予後は不良と報告されている1)。双胎間輸血症候群(twin-twin transfusion syndrome:TTTS)は,吻合血管を介する血流不均衡が病的に生じることで発症する,MD双胎における代表的な合併症である。TTTSは全MD双胎の10~15%に発症すると報告されており,姑息的治療である反復羊水除去では児の生存率60%,神経学的後遺症発症率25%と予後不良である2)。
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