特集 「次」につなぐ「周産期医療」―次回妊娠への対策と次世代への影響を考える
エコチル・スタディからみえてくるもの 妊娠前の食事が胎児・新生児に与える影響―プレコンセプションケアからDOHaDへ
経塚 標
1
KYOZUKA Hyo
1
1太田西ノ内産婦人科
pp.504-508
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001523
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はじめに
成人疾病胎児起源仮説(DOHaD)は,子どもの発育期に影響する環境要因が将来の健康に影響を及ぼすことを示す理論である1)。この理論によれば,妊娠中の栄養不足やストレスなどが胎児の健康に長期的な影響を与える可能性がある。特に,母親の栄養状態が重要で,妊娠前の健康促進(プレコンセプションケア)が注目されている。プレコンセプションケア,DOHaD仮説に沿うと,プレコンセプション期の栄養状態またそれに伴う子宮内環境悪化は子宮内の発育に影響を及ぼし,長期予後に影響を与える可能性がある(図1)2)。今回プレコンセプションケアとDOHaD仮説を結びつける研究として,大規模出生コホート研究であるエコチル調査から得られた結果を報告する。
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