特集 「次」につなぐ「周産期医療」―次回妊娠への対策と次世代への影響を考える
その他の産科合併症 常位胎盤早期剝離
藤田 恭之
1
FUJITA Yasuyuki
1
1九州大学病院総合周産期母子医療センター
pp.479-481
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001517
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
常位胎盤早期剝離(早剝)は「正常位置,すなわち子宮体部に付着している胎盤が,妊娠中または分娩経過中の胎児娩出以前に,子宮壁より剝離するもの」と定義され,胎児死亡や出生後の脳性麻痺の原因となり,母体に対しても産科危機的出血,産科DICの合併,さらには母体死亡の原因となりうる重篤な疾患である。発症頻度は全妊娠の約1%とされ,そのリスク因子としては妊娠高血圧症候群,喫煙,絨毛膜羊膜炎,外傷といったものとともに早剝の既往が知られている1)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.