特集 周産期における研修医・新人助産師/看護師教育の必修知識 新生児編
新生児仮死 仮死の病態・評価と低体温療法
津田 兼之介
1
TSUDA Kennosuke
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科新生児・小児科学分野
pp.301-305
発行日 2024年3月10日
Published Date 2024/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001468
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新生児仮死とは
通常正期産児の多くは出生後10~30秒の間に自発呼吸を開始するが,10%の児はこの呼吸循環動態の移行が順調に進行せず,吸引や刺激などのサポートを必要とする。このように出生後の呼吸循環の確立が遅れた状態を新生児仮死とよぶが,通常のサポートに対する反応が思わしくない場合,約1%の児は救命のために本格的な蘇生手段(胸骨圧迫,薬物治療,気管挿管など)を必要とし,適切な処置を受けなければ死亡するか,重篤な後遺症を残すとされている1)。
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