特集 周産期における研修医・新人助産師/看護師教育の必修知識 新生児編
新生児の特徴 内分泌・代謝
河井 昌彦
1
KAWAI Masahiko
1
1京都大学大学院医学研究科新生児学講座
pp.283-286
発行日 2024年3月10日
Published Date 2024/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001464
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はじめに
子宮内生活から子宮外生活への移行で脚光を浴びるのは「胎盤でのガス交換から肺でのガス交換」「胎盤循環から新生児循環」といった呼吸・循環の激変だが,内分泌代謝もそれに負けない大きな変化が生じる。子宮内では胎児の恒常性(ホメオスターシス)の維持は母体・胎盤に大きく依存していたが,出生後はすべてを児が調節しなくてはならなくなるからだ。例えば,胎児期は持続的な経静脈栄養のもとでひたすら成長(同化)に邁進する日々を送っていたが,出生後はストレス・間欠的な食事摂取といったこれまで経験したことのない環境で同化/異化をうまく切り変える生活を強いられることとなる。このため,ホルモンの分泌動態・調節機構・作用など内分泌代謝を司る仕組みが大きく変わることになる。本稿では,出生前後の内分泌代謝機構の変化とそれがもたらす早産児・新生児に特有な病態の概要を解説する。
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