連載 新生児学基礎講座[臨床編]・22
新生児期に見られる内分泌疾患
仁志田 博司
1
1東京女子医科大学・母子総合医療センター新生児部門
pp.332-338
発行日 1991年4月25日
Published Date 1991/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903284
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1.新生児における内分泌の特徴(表1)
妊娠にともなう母体の内分泌機能の変化は,内分泌の嵐という表現が用いられるほど,きわめて特異なものである。また胎盤そのものも一大内分泌器官であることが知られており,その環境下にある胎児は,胎盤の内分泌器官としての影響も受けつつ発達を遂げている。
それ故,妊娠・分娩における母体・胎児,さらには新生児の内分泌学的変化は,産婦人科の領域の中の大きな専門分野の一つであり,新生児期の内分泌学的適応に関する研究は,小児科よりもむしろ産科によって多くなされている。しかし,内分泌は発育.成長にきわめて重要な関与をするものであり,発育・成長を専門とする小児科医もその基礎的知識を有していなければならない。
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