増刊号 周産期診療のための病態生理
[新生児編]
栄養・消化器
Refeeding syndromeはなぜ起こるのか
櫻井 基一郎
1
SAKURAI Motoichiro
1
1亀田総合病院新生児科
キーワード:
refeeding syndrome
,
SGA
,
極低出生体重児
Keyword:
refeeding syndrome
,
SGA
,
極低出生体重児
pp.554-556
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001367
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Refeeding syndromeの歴史的背景
Refeeding syndromeは,第二次世界大戦中に初めて報告された。これは,戦争捕虜や強制収容所の生存者など,飢餓状態におかれた成人男性が,栄養再開に伴い予期せぬ病的状態や心不全を呈して死亡した事例に基づいている1)。その後,1940年代に食事制限に伴う生理的・心理的影響を調査した研究(ミネソタ飢餓実験)が行われ,飢餓からの回復期における生体反応を調べるうえでの礎となった2)。この研究自体は,多分に倫理的問題を含むため同様の検討が現在行われることはないが,戦後は摂食障害や基礎疾患のため,重度の栄養障害に陥っている患者などに焦点を当て検討が進められてきた。
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