特集 医師に必要な臨床栄養学
【トピックス】
栄養サポートチーム(NST)の効果
福田 能啓
1,2
,
栄谷 直美
1
,
肥塚 浩昌
1
,
矢吹 浩子
1
,
小谷 譲治
1
1兵庫医科大学病院NST室
2兵庫医科大学地域総合医療学
キーワード:
NST
,
栄養管理
,
SGA
,
ODA
,
低リン血症
Keyword:
NST
,
栄養管理
,
SGA
,
ODA
,
低リン血症
pp.924-930
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101549
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NSTとは
栄養状態の不良を呈する疾患に,外傷,感染症,熱傷,炎症などの合併症が存在することが少なくない.このような場合には,摂取栄養量の減少が起こり,さらには必要栄養量が増加するので,さらに栄養不良が悪化する.栄養不良が悪化すれば,代謝異常が発生し機能低下が進行する.そして,骨格筋や脂肪組織の喪失に至る(図1).すなわち,栄養状態の改善が得られなければ病的状態から抜け出すことが困難となり,低栄養状態が原疾患の病態をさらに悪化させる.栄養障害の有無,程度を判断し,栄養療法の必要性を検討し,病態に応じた適切な栄養管理法を選択しなければならない.この領域の専門家として登場したのが栄養サポートチーム(nutrition support team:NST)である.NSTは,医療施設内において,静脈栄養および経腸栄養に関する専門の知識と技術をもったチームであり,個々の患者の治療に応じて,栄養管理を適切に実施する.医師,看護師,薬剤師,管理栄養士,臨床検査技師などの多職種から構成される集団(チーム)であり(図2),徹底した栄養アセスメントを行い,栄養不良患者を早期に発見し病態別栄養管理を実施することが可能となる.
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