増刊号 周産期診療のための病態生理
[新生児編]
栄養・消化器
なぜ胎便関連性腸閉塞は極低出生体重児に多いのか
朝田 裕貴
1
,
市場 博幸
1
ASADA Yuki
1
,
ICHIBA Hiroyuki
1
1大阪市立総合医療センター新生児科
キーワード:
meconium-related ileus
,
intestinal obstruction
,
meconium
,
very low birth weight infants
Keyword:
meconium-related ileus
,
intestinal obstruction
,
meconium
,
very low birth weight infants
pp.550-553
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001366
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胎便関連性腸閉塞の基本病因,発症機序,解剖学的背景
胎便関連性腸閉塞(meconium-related ileus:MRI)は主に極低出生体重児にみられる胎便排泄遅延と,腹部膨満を特徴とする機能的腸閉塞である。欧米では,囊胞性線維症を原疾患とする胎便性イレウスの報告が多いが,囊胞性線維症を伴わない,主に極低出生体重児に発症するものを1995年に窪田らがMRIとして概念を提唱した1)。欧米では,極低出生体重児に生じる胎便排泄遅延を,単にmeconium obstruction of prematurityという名前でよぶことが多い。消化管の未熟性による腸蠕動障害が基本の病因として考えられている。
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