特集 数値からみる周産期医療 産科編
ART妊娠の予後
松沢 優一
1
,
山田 満稔
1
MATSUZAWA Yuichi
1
,
YAMADA Mitsutoshi
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.1155-1158
発行日 2023年8月10日
Published Date 2023/8/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001034
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はじめに
1978年,英国で体外受精・胚移植(in vitro fertilization and embryo transfer:IVF-ET)によりLouise Joy Brownが誕生して45年が経った。わが国では少子高齢化が現在急速に進行しつつあり,2021年の合計特殊出生率は1.30まで低下している1)。少子化の原因は複合的であり,その一因に若年者の非正規雇用の増加や女性の就業継続の難しさが挙げられている2)。このような社会情勢のなかで,IVFに加えて顕微授精(intracytoplasmic sperm injection:ICSI)など関連する医療を含む生殖補助医療(assisted reproductive technology:ART)の重要性が増している。2020年には全国で年間449,900周期のARTが行われ,このうち生産分娩にまで至った治療周期は58,800周期(13.0%),60,381人の児が出生している(図1)3)。
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