今月の臨床 生殖医療の安全性―どんなリスクと留意点があるのか?
受精卵,児・家族への影響
ART出生児の長期予後
上野 啓子
1
,
小野 政徳
1
,
西 洋孝
1
,
久慈 直昭
1
1東京医科大学産科婦人科学分野
pp.1129-1133
発行日 2022年11月10日
Published Date 2022/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210821
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●長期的にみて体外受精児の体格は自然妊娠児と比較して差はないという報告が多いが,学童期までの成長にわずかに差があるという報告もある.
●注意欠如・多動症(ADHD)や学業成績は体外受精児と自然妊娠児とで差がないが,自閉スペクトラム症(ASD)のリスクは体外受精児で高いとされる報告がある.
●これらの差は親の遺伝子や生育環境も影響しており,生殖補助医療そのものが原因であると言い切ることは難しいため,今後も注視していく必要がある.
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