特集 周産期医療のヒヤリ・ハット―医療事故・医療紛争を防ぐために 新生児編
総論
(コラム)医療メディエーター
細野 茂春
1
HOSONO Shigeharu
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター周産期科新生児部門
pp.1033-1033
発行日 2023年7月10日
Published Date 2023/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000998
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はじめに
最高裁のWebサイトにアップされている医療訴訟の統計データでは,2021年の新規の医療関係訴訟事件は758件である。過去10年間で年間700~800件で推移している1)。患者やその家族(以下「患者等」)が医療訴訟に踏みきる要因として,「真実を明らかにしたい」「医師に謝罪してもらいたい」という思いがあることがいわれている。医師が説明義務を果たしたと思っていても,患者には伝わっていなかったり,理解されていなかったりする場合も少なくない。そのため,意見の食い違いが生じた場合に仲介する職種として,医療メディエーター(医療対話促進者)が大規模病院を中心に配置されるようになった。
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