今月の主題 免疫反応と臓器疾患
即時的過敏性反応
メディエーター
富田 有祐
1
1埼玉県越谷市医師会
pp.818-820
発行日 1985年5月10日
Published Date 1985/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219744
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ある抗原によって感作された個体に再び同一抗原が侵入すると,二次的免疫反応とともに生体に種々の組織障害が惹起される.これを過敏反応あるいはアレルギー反応といい,Coombs & Gell1)によってI型,II型,III型,IV型の4つに分類された.この分類は従来,過敏反応という概念で包括されていた種々の反応を理解しやすく明確に整理した点で高く評価され,利用されている.しかし,最近この4つの型以外にV型と呼ぶべき過敏反応や1型+III型,III型+IV型の反応によって引き起こされる疾患も知られてきた.これらの反応のうちI型,II型,III型は即時型過敏反応immediate hypersensitivity,IV型は遅延型過敏反応delayed hypersensitivityとも呼ばれており,V型,I型+III型,III型+IV型は混合型過敏反応と呼んでもよいと思われる.各反応の特徴をまとめると表1のごとくである.今回,筆者に与えられた課題は即時型過敏反応のメディエーターについてであるが,誌面の関係上ここでは即時型過敏反応のうち,1型過敏反応をとりあげ,これに関与するchemical mediator(以下CMと略)について解説することにする.
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