今月の主題 気管支喘息—病態から治療まで
抗アレルギー薬
メディエーター遊離抑制薬
冨岡 玖夫
1
Hisao Tomioka
1
1千葉大学医学部・第2内科
pp.624-627
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218987
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気管支喘息の発症機序は多様であるが,アレルギー性気管支喘息の主体は,IgE抗体依存性のI型アレルギー反応によって惹起されると考えられる.IgEの発見により,I型アレルギー反応の機序が解明されたことにより,アレルギー反応を調節する薬物の開発が,より論理的に行われるようになった.
広い意味の抗アレルギー薬のうちには,β-交感神経刺激薬やキサンチン系薬物も含まれるが,狭義の抗アレルギー薬は,アレルギー反応に参画する肥満細胞,好塩基球,好中球,好酸球,マクロファージなどの細胞から遊離されるケミカル・メディエーターの遊離抑制薬と理解してよいと考える.本稿では,disodium cromoglycate(DSCG)を代表とするケミカル・メディエーター遊離抑制薬について述べる.
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