Japanese
English
解説
メディエーターと抗メディエーター薬
Chemical Mediators and Anti-mediator Drugs
中川 武正
1
Takemasa Nakagawa
1
1聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター
1Institute of Medical Science, St. Marianna University School of Medicine
pp.533-538
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900288
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
アトピー型気管支喘息をはじめとするアレルギー性疾患の病態生理には,IgE抗体と肥満細胞が中心的な役割を果たすことはよく知られている.後述するごとく,IgE抗体とアレルゲンとの反応によって肥満細胞から遊離された化学伝達物質(メディエーター,chemical mediator)がⅠ型アレルギー反応の引き金を引き,最終的に喘鳴や呼吸困難,あるいは鼻汁・鼻閉・くしゃみ,皮膚の痒みなどのアレルギー症状が出現することになる.
一方,抗メディエーター薬は一般的に抗アレルギー薬あるいは抗アレルギー剤として理解されるものであり,これらのメディエーターの遊離,生成を抑制そして/あるいはその作用に拮抗することで,アレルギー反応そのものを抑えることを目的とするものである.本稿では,メディエーターと抗メディエーター薬に関して,アレルギー性疾患の発症機序を含めて臨床的立場より解説を試みる.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.