特集 周産期医療のヒヤリ・ハット―医療事故・医療紛争を防ぐために 新生児編
総論
診療ガイドラインと医療訴訟
諌山 哲哉
1
ISAYAMA Tetsuya
1
1国立成育医療研究センター新生児科
pp.1028-1032
発行日 2023年7月10日
Published Date 2023/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000997
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はじめに
医療の標準化は,患者の検査や治療などの診療の手続きを最適なものに標準化することで,医師や施設による診療のばらつきを減らし,医療事故や医療過誤を予防し,診療の質を向上させると考えられている。近年,医療の標準化を推進するために,多くの診療ガイドライン(clinical practice guideline)が作成されてきている。EBM普及推進事業(Minds)によれば,診療ガイドラインは,「健康に関する重要な課題について,医療利用者と提供者の意思決定を支援するために,システマティックレビューによりエビデンス総体を評価し,益と害のバランスを勘案して,最適と考えられる推奨を提示する文書」と定義されている1)。
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