特集 Controversies in perinatology 2023 新生児編
超低出生体重児の皮膚保護―軟膏やテープにより全例で行う
市川 知則
1
ICHIKAWA Tomonori
1
1川口市立医療センター新生児集中治療科
pp.94-96
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000758
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はじめに
わが国において,超低出生体重児に対する皮膚保護の具体的なガイドラインは少ない。2011年発行の,NICUにおける医療関連感染予防のためのハンドブックには,「超早産児の皮膚に対する予防的全身軟膏塗布は一般的には勧められない」と記載されており,さらなる知見と確証の蓄積が必要と考えられている1)。一方で,諸外国ではガイドライン化が進んできている。オーストラリアでは “Skin care of extremely preterm infants<25weeks gestation clinical pathway” として2021年にガイドラインが発表されており,出生直後の皮膚へのココナッツオイルなどの植物油脂の塗布が,保湿および皮膚の成熟に有効であるとしている2)。本稿では,超低出生体重児のスキンケアについて,保湿剤などを積極的に使用する観点から論じてみる。
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