今月の臨床 胎児・新生児のBrain Damage
疫学と病理
2.超低出生体重児の長期予後
三科 潤
1
1東京女子医科大学母子総合医療センター小児保健部門
pp.1128-1132
発行日 1998年9月10日
Published Date 1998/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903389
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近年,サーファクタントによる呼吸障害の治療に代表される新生児未熟児医療の進歩,およびこれに伴う早産の分娩管理の改善などにより超低出生体重児の生存率は著しく改善し,超低出生体重児のなかでも,より出生体重・在胎週数の少ない児の生存が可能となった.しかも,脳性麻痺や知能障害などのmajorな神経学的後障害の頻度は高くなってはいないことが報告されている1-5).しかし長期予後の調査においては,特殊教育を受ける児の頻度が高いことや,明らかな神経学的障害を認めない児においても認知障害や行動障害などの微細神経障害の存在が指摘されており,学習障害の頻度が高いことなども注目されている6-11).
本稿では,東京女子医科大学母子総合医療センターを退院した超低出生体重児の6歳,小学1年,小学3年の健診での結果を中心に,超低出生体重児の長期予後について述べる.
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