特集 Controversies in perinatology 2023 新生児編
超低出生体重児のIVH予防―予防投与はしない
増本 健一
1
MASUMOTO Kenichi
1
1東邦大学医学部新生児学講座
pp.51-54
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000745
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はじめに
脳室内出血(intra ventricular hemorrhage:IVH)は早産児の重大な合併症であり,その後の発達予後に大きく影響する。新生児臨床研究ネットワーク(NRNJ)の報告によると,2003~2016年に登録された超早産児のIVH発症率は12.5%で,Papile分類Ⅲ度以上の重症IVH発症率は4.4%である1)。また,在胎22~23週の超早産児における解析では,IVH発症率が在胎22週で49.8%,23週で40.5%,24週で34.0%と高い頻度であることが報告されている2)。在胎22~23週の超早産児の生存率は年々上昇しており,これらを含めたIVH発症リスクが高い早産児に対するIVH予防が重要であるが,エビデンスに基づく予防方法は少ない。
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