増刊号 191の疑問に答える周産期の栄養
新生児・乳児の栄養
8.食物アレルギー
3)離乳食と食物アレルギーの関係
早野 聡
1,2
,
夏目 統
3
Hayano Satoshi
1,2
,
Natsume Osamu
3
1中東遠総合医療センター小児科
2中東遠総合医療センターアレルギー疾患研究センター
3浜松医科大小児科
キーワード:
食物アレルギー
,
二重曝露仮説
,
除去
,
経皮感作
,
乳児期早期摂取
Keyword:
食物アレルギー
,
二重曝露仮説
,
除去
,
経皮感作
,
乳児期早期摂取
pp.718-721
発行日 2022年11月18日
Published Date 2022/11/18
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000679
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食物アレルギーの発症機序とその予防については,近年新たな発見が相次ぎ,パラダイムシフトといえる変化が生じた。2000年代には,アトピー性皮膚炎が食物アレルギー発症のリスクになることがピーナッツにおいて報告された。さらに2010年代からは,食物アレルゲンの乳児期早期摂取開始が,食物アレルギー発症予防に役立つことが,さまざまな食物について明らかにされた。現在では,アトピー性皮膚炎が食物アレルギーの発症に大きく関わっていることは,非医療者である母親・父親にも浸透してきている。次の課題は「誰が乳児期早期摂取の恩恵を受けるのか(適応)」「どの食物をどのように食べさせるべきか(方法)」という点である。本稿では保護者に対して,食物アレルギー予防を念頭においた離乳食指導を行うにあたって,役立つと思われる知見を概説する。
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