特集 見て,聞いて,触って,五感で診る新生児の異常とその対応
鼠径部の異常
小梛 地洋
1
,
長島 俊介
1
,
田井中 貴久
1
ONAGI Chihiro
1
,
NAGASHIMA Shunsuke
1
,
TAINAKA Takahisa
1
1東邦大学医療センター大森病院小児外科
pp.1405-1408
発行日 2022年10月10日
Published Date 2022/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000360
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はじめに
新生児における鼠径部の異常には,鼠径ヘルニアと陰囊水腫が挙げられる。新生児であっても,鼠径ヘルニアで嵌頓した場合には,速やかに徒手整復を行う必要があり,注意が必要である。しかし,新生児や未熟児では組織が脆弱なため手術の難易度が高く,臓器損傷などの合併症を起こすリスクがあり,手術の時期は症例によりさまざまである。また,陰囊水腫との鑑別が重要で,正しく診断を行う必要がある。本稿では,鼠径ヘルニアの診断と嵌頓時の対応,最近の治療,鑑別疾患として重要な陰囊水腫について解説する。
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