特集 メンタルヘルスの視点からみたCOVID-19感染の影響とその対応
感染症蔓延下における新生児医療関連施設,外来でのメンタルヘルスへの工夫
NICU医療者のメンタルヘルス 臨床心理士からみた現状とその対応
川野 由子
1,2
KAWANO Yuko
1,2
1地方独立行政法人大阪母子医療センター医療技術部(NICU専任)
2周産期心理士ネットワーク
pp.909-912
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000218
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はじめに
2019年より未曾有の感染症(COVID-19)が広がり,通常臨床ではまず遭遇することのなかったきわめて異質のストレスが医療現場を襲った。COVID-19の不顕性感染の脅威は,医療の最前線で対応しなければならない医療者の戸惑いと緊張感を大きく高めた。その医療者のストレスははかり知れない。NICUは,新生児の救命救急を行う医療現場として,その特殊性からCOVID-19の感染予防と対策にはとくに神経を使ったと思われる。未成熟な新生児へのCOVID-19感染予防に,第1波の時期から家族の面会を厳しく制限する施設もあり,なかには家族面会を禁止するところもあった。感染者数と死亡者数が増えてきた第3波から第6波の時期においては,全国的にNICUの面会制限が実施されるようになった1)。
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