特集 メンタルヘルスの視点からみたCOVID-19感染の影響とその対応
感染症蔓延下における新生児医療関連施設,外来でのメンタルヘルスへの工夫
周産期心理士からみたNICUの面会の変化と対応 心理士がとらえた赤ちゃんと母親の変化
加治佐 めぐみ
1,2
,
蟻川 麻紀
2,3
,
吉元 なるよ
2,4
,
川野 由子
2,5
,
稲森 絵美子
2,6
,
永田 雅子
2,7
KAJISA Megumi
1,2
,
ARIKAWA Maki
2,3
,
YOSHIMOTO Naruyo
2,4
,
KAWANO Yuko
2,5
,
INAMORI Emiko
2,6
,
NAGATA Masako
2,7
1鹿児島市立病院
2周産期心理士ネットワーク
3産業医科大学病院医療支援課
4沖縄科学技術大学院大学発達神経生物学ユニットこども研究所
5大阪母子医療センター
6東京医科大学病院
7名古屋大学心の発達支援研究実践センター
pp.898-901
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000215
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はじめに
周産期医療の現場では,赤ちゃんと家族が安心して出会い,触れ合い,ともに過ごすことの重要性が認識され,多くのNICU/GCUで家族面会の拡大,家族のケア参加が推進されてきた。しかし,COVID-19感染拡大に伴い,NICU/GCUでは,家族面会や家族による抱っこ,タッチングなどが制限されるようになった。これらの面会やケアの制限が,周産期の親子に与える影響を明らかにすることを目的として,周産期心理士ネットワークの会員を対象にアンケート調査を実施した。周産期心理士ネットワークのメンバーは,周産期医療現場で赤ちゃんやその家族に寄り添い,心理的な支援にあたる臨床心理士・公認心理師(心理士)である。前稿の「周産期心理士ネットワークの実態調査によるコロナ禍での面会の変化と対応」では,面会とケアの制限の実態について報告したが,本稿ではNICU/GCUで活動する心理士が赤ちゃんと母親の変化をどうとらえていたかに焦点を当て,面会制限が周産期の親子に与える影響について考察する。
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