特集 Late preterm・Early termを展望する
各論
新生児編―Late preterm・Early term児の生理学的特徴と疾患と管理法 内分泌・代謝―低血糖を中心に
依藤 亨
1
YORIFUJI Tohru
1
1大阪市立総合医療センター小児代謝・内分泌内科
pp.565-569
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000129
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はじめに
late preterm(妊娠34~36週),early term(37~38週)出生児は医療介入や胎児モニタリングの進歩,生殖医療の普及などによって増加の傾向にあるが,生理的に未成熟の状態での出生はさまざまなリスクを伴っている。糖代謝面からは低血糖の増加という形で現れる。肝グリコーゲンの蓄積は第3三半期に進行するため,空腹時のグリコーゲン分解による血糖維持が困難であり,また出生直後に生理的にみられるtransitional hypoglycemiaも高インスリン傾向から過度になりがちである。さらに,十分な自律哺乳の確立も遅れがちになるため,血糖値が<40mg/dLの低血糖の頻度はlate preterm児ではterm児の3倍高く,ブドウ糖静注を必要とする頻度もterm児の5%に対してlate preterm児では27%であったと報告されている1)。
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