特集 Late preterm・Early termを展望する
各論
産科編―産科合併症・合併症妊娠の最適な分娩時期 糖尿病合併妊娠
横山 真紀
1
,
杉山 隆
1
YOKOYAMA Maki
1
,
SUGIYAMA Takashi
1
1愛媛大学医学部産婦人科
pp.504-507
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000115
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はじめに
糖尿病合併妊娠は一般人口と比べ母児双方の合併症の頻度が高く,周産期死亡率が高いことが知られている。なかでも正期産期周辺における課題は,妊娠35~36週以降に生じる突然の子宮内胎児死亡と,large for gestational age(LGA)や巨大児,それに付随して生じる肩甲難産,分娩外傷,器械分娩の増加,帝王切開分娩の増加などの分娩障害である。近代の胎児心拍数モニタリングや超音波検査などの産科管理の向上と,血糖自己測定や強化インスリン療法の導入に代表される血糖管理の向上および厳格化に伴い,糖尿病合併妊娠の周産期予後は大幅に改善してきたものの,依然として代表的なハイリスク妊娠であり,胎児死亡のリスクは非糖尿病妊娠と比較し4~5倍とする報告もある1)。
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