特集 Late preterm・Early termを展望する
各論
産科編―産科合併症・合併症妊娠の最適な分娩時期 生育限界での重症胎児発育不全(FGR)の管理指針の概要―最適な娩出時期の決定
高橋 雄一郎
1
TAKAHASHI Yuichiro
1
1岐阜県総合医療センター産科・胎児診療科
pp.488-495
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000112
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はじめに
子宮内発育不全の胎児(FGR)は胎児の染色体異常や多発構造異常を呈する胎児異常型と,胎児胎盤機能不全型に分けられる。本稿で対象とする後者の娩出時期の決定に関しては,未だに世界的に研究が行われている周産期における重要なテーマの一つである。症候群でもあるため,その判断にはさまざまなパラメーターが存在し,研究がなされている。近年,欧米の研究などから,26~32週での管理を必要とするearly-onset型と,34週以降での管理を主とするlate-onset型に分けて病態を検討される流れがある1,2)。また,早産期で重症FGRであればあるほど,われわれ医療者の主目的は「胎児死亡する前にいかに救命するか」という点にフォーカスが絞られる。
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