特集 図表・チャートでパッと理解! ここまでわかった産婦人科の病態生理
第1章 周産期
B.妊娠合併症
2.糖尿病合併妊娠・妊娠糖尿病
横山 真紀
1
,
杉山 隆
1
1愛媛大学大学院医学系研究科産科婦人科学講座
pp.98-102
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000141
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妊娠中の糖・脂質代謝では,妊娠後半期における生理的なインスリン抵抗性増大による食後高血糖,高インスリン血症,および脂肪分解亢進による遊離脂肪酸の増加が特徴的である.これは本来妊娠に伴う母児双方のエネルギー需要の増大に対応するための合目的的な変化だが,糖尿病合併妊娠では血糖コントロール悪化や糖尿病合併症の増悪,糖尿病ケトアシドーシス発症をまねく恐れがある.また,非妊娠時にはみつからない軽度の耐糖能異常が,この妊娠による代謝ストレスに対し代償性にインスリン分泌を増加させることができない(膵β細胞機能不全)場合,妊娠糖尿病を発症すると考えられている.
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