特集 生殖補助医療の進歩と周産期医療
生殖補助医療(ART)の立場から
PGTの現状と今後の展望 エビデンス獲得に向けたPGT-SRの有用性の評価に向けて
遠藤 俊明
1
,
馬場 剛
1
ENDO Toshiaki
1
,
BABA Tsuyoshi
1
1札幌医科大学産婦人科講座
pp.335-339
発行日 2022年3月10日
Published Date 2022/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000079
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はじめに
PGT-SR(preimplantation genetic testing for structural rearrangements)の有用性について議論が続けられているが,一方で現在進行中の日本産科婦人科学会の特別臨床研究の下にそのPGT-SRはかなり広く行われている感がある。この好機を利用して染色体均衡型構造異常症例に対して,不均衡型構造異常の確率を個別に求め,PGT-SRの有用性を検証する機会が与えられている。これまでの評価は染色体の均衡型構造異常をひとまとめにして議論するのが通例であったが,扱う症例が増えてきている現在は対象を細分化して再考の機会の利用を期待したい。これまではある意味限られた症例数の段階での考察であった可能性があるので,現在実施中の特別臨床研究では再考する大きなチャンスである。この研究結果を詳細に検討すれば,PGT-SRの真のエビデンス獲得が期待できる可能性がある。
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