特集 母体救急医療・母体救命の進歩
各論
主な母体救急疾患とその対応 前置癒着胎盤
松崎 聖子
1
,
松崎 慎哉
2
,
竹村 昌彦
1
MATSUZAKI Satoko
1
,
MATSUZAKI Shinya
2
,
TAKEMURA Masahiko
1
1大阪急性期総合医療センター産科・婦人科
2大阪国際がんセンター婦人科
pp.257-261
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000059
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定 義
癒着胎盤とは子宮腔内の基底脱落膜の欠損部位から絨毛が子宮筋層に直接侵入し,分娩後自然脱落することができない状態である。癒着胎盤は分娩時大量出血をしばしば認め,母体死亡もきたしうる重篤な疾患である。一方で,癒着胎盤は定義や診断基準が各研究においてまちまちなため,病態の理解が困難な一面をもつ。前置胎盤,癒着胎盤についてのそれぞれの管理や予後については筆者らの最近の報告を参考にしていただきたい1)。本稿では癒着胎盤のなかでもよりリスクの高い前置胎盤を合併した癒着胎盤(前置癒着胎盤)について,最近報告された研究を紹介しつつ解説したい。
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