特集 母体救急医療・母体救命の進歩
総論
産褥婦自死の現状と対策
竹田 省
1,2
TAKEDA Satoru
1,2
1順天堂大学産婦人科学講座
2恩賜財団母子愛育会愛育研究所
pp.190-194
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000044
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はじめに
わが国の妊産褥婦の自殺率は,海外と比較するときわめて高く,妊産婦死亡と後発妊産婦死亡を合わせた死亡原因の第1位であることも知られている。この状況をふまえ,2018年12月に成育基本法が,2019年11月に産後ケア法案が公布され,妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援が提供できるよう地域に子育て世代包括支援センターが設置され活動が始まっている。よりきめ細やかな各地域に根づいた母子への支援は,周産期メンタルヘルスや自殺の実態を知り,地域ごとの問題を共有し,かかわる人々の人材教育,コミュニケーション能力を高め,さまざまな機関との連携をはかり,介入し,みんなで解決策を練ることが重要と思われる。
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