特集 自殺・自死対策
自死遺族支援の重要性と取り組みの現状
杉本 脩子
1
1NPO法人全国自死遺族総合支援センター
pp.247-251
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102987
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はじめに
2006年に成立した自殺対策基本法は,第1条目的において遺族の支援を充実すると明記している.自殺を防ごうというだけでなく,不幸にも多くの人が自ら命を絶っている事実から目をそらさずに向き合い,遺された人たちを社会全体で支えようという基本理念は画期的なものだ.
自殺は個人の選択であり,個人の問題である.また,遺された人の悲嘆や苦悩も個人で対処するものという考えが長年にわたって一般的であったことを思うと,この条文を大切にしたいと強く願う.
基本法施行後,試行錯誤を重ねながらさまざまな取り組みが行われている.自死遺族支援には,自死・自殺の問題をどう理解し,支えるかという面と,死別の悲嘆(グリーフ)をどう理解し,支えるかという面があり,現状や課題についての考察を試みたい.
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