特集 細菌,ウイルス,真菌―微生物学のパラダイムシフト―
【鼻副鼻腔領域】
難治性鼻副鼻腔炎における真菌の関与
中山 次久
1
Tsuguhisa Nakayama
1
1獨協医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
真菌
,
免疫応答
,
慢性炎症
Keyword:
真菌
,
免疫応答
,
慢性炎症
pp.283-285
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000002033
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はじめに
慢性鼻副鼻腔炎は,12週以上持続する鼻副鼻腔の炎症により,鼻閉,鼻漏,後鼻漏,咳嗽などの呼吸器症状を呈し,頭痛,頰部痛,嗅覚障害などを伴う疾患として定義される1)。細菌・ウイルス・真菌などの微生物は,鼻副鼻腔炎の病原体として重要であり,さまざまな表現型を持つ鼻副鼻腔炎のサブタイプを形成する。しかし,これらの微生物がどのように慢性炎症や鼻茸形成に寄与するかについては未だ十分に解明されていない。近年の鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎(Chronic rhinosinusitis with nasal polyps:CRSwNP)の病態研究では,単なるこれらの微生物の感染そのものによる疾患というより,宿主の免疫応答や上皮バリア機能の破綻による慢性炎症への関与が考えられており,特に2型炎症を特徴とする好酸球性鼻副鼻腔炎(eosinophilic chronic rhinosinusitis:ECRS)においてその重要性が報告されている。好酸球性鼻副鼻腔炎は,適切な内視鏡下鼻副鼻腔手術を行っても術後に鼻茸の再発を繰り返す難治性鼻副鼻腔炎の代表的な疾患である。その病態については今現在も明らかになっていないが,本稿においては,未だ議論が多い好酸球性鼻副鼻腔炎を中心とする難治性鼻副鼻腔炎における真菌の役割について述べる。

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