特集 花粉症の疑問に答える
【治療】
オマリズマブはどのような患者に投与するのがよいか?
平野 康次郎
1
Kojiro Hirano
1
1昭和医科大学医学部耳鼻咽喉科頭頸部外科学講座
キーワード:
花粉症
,
オマリズマブ
,
生物学的製剤
Keyword:
花粉症
,
オマリズマブ
,
生物学的製剤
pp.1173-1175
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001789
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はじめに
スギ花粉症は日本人の約4割が罹患する国民病であり,その有病率は年々上昇している。2008年に26.5%だった有病率は2019年には38.8%へと増加し,患者の52.9%が重症または最重症に分類される1,2)。これらの患者は,日常生活に支障をきたすのみならず,仕事や学業の能率低下,さらには精神的負担や認知機能の変調など多岐にわたる影響を受けることが知られている3,4)。標準治療(抗原回避,抗ヒスタミン薬,点鼻ステロイド,アレルゲン免疫療法など)で十分な効果が得られない患者に対して,2019年に抗IgE抗体製剤であるオマリズマブ(ゾレア®)がスギ花粉症に対する保険適用となった1)。

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