連載 症例をどうみるか
聴覚障碍児・者の言語指導で得た重視したい知見
田中 美郷
1
Yoshisato Tanaka
1
1帝京大学名誉教授
キーワード:
言語獲得臨界期
,
純粋語聾
,
トップダウン方式
Keyword:
言語獲得臨界期
,
純粋語聾
,
トップダウン方式
pp.122-125
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001449
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はじめに
筆者は1968年に難聴児の早期療育・教育支援をhome training方式で始めて50年余りになる。前人未踏の領域の開拓であっただけに暗中模索,すべて創意工夫が求められる日々であった。しかし成果が出るに及んで視界は開け,それに基づいて1979年に恩師鈴木篤郎教授と共著で『幼児難聴』1)を世に出した。本書はわが国初のオリジナルとして各方面から大歓迎を受けてきた。その後50年以上にわたる成果については2020年に筆者の研究所より報告書2)を出したが,しかし長期にわたり多数例の支援を続けていると,従来の学説に問題があるとか,あるいは稀な例のため誰も適切な支援の手を差しのべてこなかった例などに遭遇することがある。
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