連載 症例をどうみるか
輪状軟骨の破壊を伴った炎症性偽腫瘍の1例
久岡 巧麻
1
,
平野 愛
1
,
太田 淳
1
,
香取 幸夫
1
Takuma Hisaoka
1
,
Ai Hirano
1
,
Jun Ohta
1
,
Yukio Katori
1
1東北大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科教室
キーワード:
炎症性肉芽腫
,
輪状軟骨
,
生検
Keyword:
炎症性肉芽腫
,
輪状軟骨
,
生検
pp.127-130
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001450
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はじめに
炎症性偽腫瘍は筋線維芽細胞ないし線維芽細胞の特徴を示す紡錘形細胞の増殖と炎症細胞の著明な浸潤からなる病変である1)。炎症性筋線維芽細胞腫瘍,感染ないし炎症の修復起点における腫瘤形成,活動性感染による炎症性腫瘍など複数の疾患単位を含んでいる。肺や眼窩に発生することが多いが,全身の臓器に発生しうる2)。画像上局所で破壊や浸潤を示すことが多い2)。治療としてステロイド投与や完全切除があるが,再発する症例もある3)。今回われわれは,輪状軟骨を破壊し,悪性腫瘍との鑑別に苦慮した輪状後部の炎症性偽腫瘍の1例を経験したため報告する。
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