特集 てこずった症例・難治症例にどう対応するか
がん
口角切開併施により根治切除を施行した翼状突起・側頭下窩浸潤上顎洞癌症例
佐藤 大志
1
,
宮本 俊輔
1
,
山下 拓
1
Hiroshi Sato
1
,
Shunsuke Miyamoto
1
,
Taku Yamashita
1
1北里大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
上顎洞癌
,
口角切開
,
翼状突起浸潤
Keyword:
上顎洞癌
,
口角切開
,
翼状突起浸潤
pp.1183-1187
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001283
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はじめに
上顎洞癌が側頭下窩や翼状突起へ後方進展した場合,視野・術野を確保する目的で眼窩下縁部切開を含むWeber-Fergussonの皮膚切開を用いることが多い1)。しかし,本法では下眼瞼から人中,上口唇にわたる広範な切開を要するためその瘢痕や眼輪筋の可動制限が残存するだけでなく,術後に下眼瞼の外反・浮腫や内眼角部の皮膚瘻孔などの合併症が稀でないため,繊細な操作が要求される2)。一方で上顎後方の展開には制限があり,側頭部へ皮膚切開を延長した場合にはさらに顔面神経側頭枝頰骨枝損傷のリスクが生じる2)。
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