特集 てこずった症例・難治症例にどう対応するか
耳領域
急性乳様突起炎との鑑別が困難であった自己免疫性好中球減少症を伴う外耳炎の1症例
濵之上 泰裕
1
,
増田 正次
1
Yasuhiro Hamanoue
1
,
Masatsugu Masuda
1
1杏林大学医学部耳鼻咽喉科学教室
キーワード:
鑑別困難
,
自己免疫性好中球減少症
,
乳様突起炎
,
膿瘍
Keyword:
鑑別困難
,
自己免疫性好中球減少症
,
乳様突起炎
,
膿瘍
pp.924-926
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001214
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はじめに
乳幼児の耳鼻咽喉科診療において,耳後部の発赤と腫脹を生じる鑑別疾患として乳様突起炎を筆頭に,耳後部リンパ節腫脹やベゾルト膿瘍,耳下腺炎などがある。しかし,自己免疫性好中球減少症(autoimmune neutropenia:以下AIN)による一般感染症の重症化,すなわち膿瘍形成についての報告もある1~3)。本稿では,乳様突起炎による耳介周囲膿瘍を疑っていたが,実際にはAINが主病態であり,外耳炎から耳介周囲膿瘍へと重症化していた症例を経験したため報告する。
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