特集 てこずった症例・難治症例にどう対応するか
耳領域
滲出性中耳炎を疑ったがANCA関連血管炎性中耳炎からの多発血管炎性肉芽腫症だった症例
岸部 幹
1
Kan Kishibe
1
1旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
難治性中耳炎
,
ANCA関連血管炎性中耳炎
,
多発血管炎性肉芽腫症
,
滲出性中耳炎
Keyword:
難治性中耳炎
,
ANCA関連血管炎性中耳炎
,
多発血管炎性肉芽腫症
,
滲出性中耳炎
pp.927-930
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001215
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はじめに
多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis:GPA)は,上気道から初発することが多く,中耳炎から初発することもある。中耳に限局した抗好中球細胞質抗体(antineutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)関連血管炎は,ANCA陰性で血管炎の病理所見が得にくいこともあり診断に難儀することがある。ANCA関連血管炎に伴う中耳炎は,“ANCA関連血管炎性中耳炎(otitis media with ANCA-associated vasculitis:OMAAV)”と呼ばれ,診断基準が提唱されている(表1)1)。
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