特集 これだけは知っておきたい 甲状腺・副甲状腺診療
外科的治療
気管合併切除術
北村 守正
1
Morimasa Kitamura
1
1金沢医科大学頭頸部外科学
キーワード:
甲状腺癌
,
気管合併切除術
,
気管浸潤
,
シェービング
,
気管全層切除
Keyword:
甲状腺癌
,
気管合併切除術
,
気管浸潤
,
シェービング
,
気管全層切除
pp.418-421
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001037
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
甲状腺癌の気管浸潤は10%程度あり,その中でも気管内腔への浸潤は1%程度と言われている1~2)。甲状腺癌の気管浸潤は初期の場合無症状であるが,気管内腔へ浸潤すると血痰や喘鳴,呼吸困難をきたす。分化癌であれば,たとえ遠隔転移を認めていても局所コントロールすることである程度の予後が見込めるため,きちんと術前診断を行い,手術→術後放射性ヨウ素内用療法という一連の治療をきちんと行う必要がある。遠隔転移が増悪しても,TKI(tyrosine kinase inhibitor)を投与することでさらなる延命も可能である。ただ局所浸潤した腫瘍が残存していると,TKIで腫瘍が縮小した際に致死的な瘻孔を形成する可能性もあり,局所はきちんとコントロールしておく方がよい。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.