特集 これだけは知っておきたい 甲状腺・副甲状腺診療
外科的治療
反回神経再建
古田 康
1
Yasushi Furuta
1
1手稲渓仁会病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
甲状腺癌
,
反回神経再建
,
頸神経ワナ
,
甲状軟骨形成術Ⅰ型
Keyword:
甲状腺癌
,
反回神経再建
,
頸神経ワナ
,
甲状軟骨形成術Ⅰ型
pp.422-424
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001038
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はじめに
甲状腺癌症例において反回神経合併切除を要する場合,即時神経再建を行うことがガイドラインにおいて推奨されている1,2)。非再建例では声帯筋の萎縮により発声機能が悪化するので,症例に応じて二期的音声改善手術を行うことになる。即時神経再建例では声帯運動は回復しないものの,声帯筋の萎縮を抑えることにより,非再建例に較べ有意に最長発声持続時間(MPT:maximum phonation time)が延長することが報告されている3~6)。また,年齢・性別・術前の声帯麻痺の有無・術者に関わらず,有意に良好な発声機能を示したことが報告されている7)。音声を扱う耳鼻咽喉科・頭頸部外科医が,癌のコントロールのみならず,患者のQOL向上を目指し,実力を発揮できる手術である。
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