特集 耳鼻咽喉科診療における遠隔医療
耳鼻咽喉科診療における遠隔医療
音声障害診療における遠隔診療
渡嘉敷 亮二
1
Ryoji Tokashiki
1
1新宿ボイスクリニック
キーワード:
遠隔医療
,
音声障害
,
音声リハビリテーション
Keyword:
遠隔医療
,
音声障害
,
音声リハビリテーション
pp.1245-1248
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000801
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はじめに
音声障害の診断には喉頭内視鏡で声帯の状態や動きを観察することが必須である。しかしながら,音声障害に精通する医師は少なく,地域によっては患者が日常的に通院可能な範囲に,治療はもとより診断のできる医師すらいないこともまれではない。すなわち声帯を内視鏡で観察しても正しい診断にたどり着かない可能性がある。特に声帯に器質的な異常所見のない痙攣性発声障害や筋緊張性発声障害などは,地元の複数の耳鼻咽喉科で「異常がない」「精神的なもの」と診断され,治療をあきらめている患者もいまだに多く存在する。仮に診断のできる医師がいて病名がわかったとしても,投薬や手術を含めた治療ができる医師がいない,あるいはリハビリテーション(以下リハビリ)治療の行える言語聴覚士(以下ST:speech therapist)がいないということもある。
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