特集 耳鼻咽喉科領域の発達変化と加齢変化
耳鼻咽喉科疾患の診断と治療
加齢に伴う疾患 音声障害
田島 勝利
1
,
田山 二朗
1,2
Shori Tajima
1
,
Niro Tayama
1,2
1順天堂大学医学部耳鼻咽喉・頭頸科
2田山・皿井耳鼻咽喉科・ボイスクリニック
キーワード:
加齢変化
,
音声障害
Keyword:
加齢変化
,
音声障害
pp.1501-1503
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000891
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はじめに
現在,わが国での総人口に占める65歳以上の人口割合(高齢化率)は約29%にも及び,今後も高齢化率は上昇していくと予想されている1)。加齢に伴う身体機能の低下は感覚器をはじめとしたさまざまな器官に及ぶが,音声障害も看過できない問題である。音声言語はコミュニケーションにおいて極めて重要であるため,音声障害は社会への参加を制約し,QOLの低下を引き起こす。更に,コロナ禍の昨今,マスク装用の影響でより明瞭な発声がコミュニケーションに重要である。また,黙食をはじめとした会話の制限により発声機会が減少し,音声障害を訴える高齢者が増加してくると予想される。
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