増刊号 救急・当直マニュアル—いざというときの対応法
Ⅲ.症状からみた鑑別診断
音声障害
香取 幸夫
1
1東北大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
キーワード:
音声障害
,
急性喉頭蓋炎
,
声帯麻痺
,
呼吸困難
Keyword:
音声障害
,
急性喉頭蓋炎
,
声帯麻痺
,
呼吸困難
pp.87-90
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202028
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当直医へのコール
●音声は,適切な呼気,正常な声帯運動と振動,正常な声道(口腔・咽頭)の構造と運動によって作られており,気道狭窄や,口腔・咽喉頭の炎症,腫瘍,麻痺によって音声障害が生じる(図1)。
●様々な疾病で音声障害を生じることから,年齢,性別に関係なく受診がある。
●音声障害の救急患者では嚥下障害や呼吸困難(感)を伴っていることが多い。
●音声障害に加えて呼吸困難の症状がある場合には早急な治療が必要になる。喘鳴,努力呼吸,チアノーゼなどがみられるときは上気道狭窄を強く疑う。
●音声障害の発現から救急受診まで短時間のものほど疾病の進行が速いことを考え,早急に上気道の内視鏡検査などの診察や気道確保の準備が必要になる。
●局所所見の確認と診断には,口腔,咽頭,喉頭を直接診察する機会の多い耳鼻咽喉科,麻酔科,呼吸器科の医師による診察が必要になる。
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