特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 2
【System 1─電光石火の感染症snap diagnosis編❻】
Don't touch me!神出鬼没なアイツにご用心
谷崎 隆太郎
1,2
1三重大学大学院 伊賀地域医療学講座
2名張市立病院 総合診療科
キーワード:
梅毒
,
性感染症
,
口腔潰瘍
,
MSM(G1)
,
HIV
Keyword:
梅毒
,
性感染症
,
口腔潰瘍
,
MSM(G1)
,
HIV
pp.930-933
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200361
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Case
口唇・舌の潰瘍および全身の皮疹を呈した2期梅毒の一例
患者:40歳,男性.
性交渉のパートナー:男性.
既往歴:HIV感染症,B型肝炎.
現病歴:3週間前より,口内炎を自覚.1週間前より,体幹に掻痒感を伴う紅斑が出現したため受診.バイタルサインに異常なく,全身状態は良好.前頸部〜下腹部および背部に小指頭大〜貨幣大の,やや隆起する淡い紅斑が少数散在 (図1).両手掌にも単発性の小丘疹を認める.また,上口唇・舌左側面に直径1cm程度の潰瘍性病変を認める(図2).最近新たに始めた薬剤はない.不特定の男性との性交渉は頻繁にある.血液検査でrapid plasma regain(RPR)テスト256倍,Treponema pallidum hemagglutination(TPHA)テスト5,120倍と上昇を認め,2期梅毒と診断し,アモキシシリンによる治療で症状は軽快した.
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