特集 いま知っておきたい! 内科最新トピックス
第3章 血液・造血器
慢性活動性EBウイルス感染症に対する新規治療
新井 文子
1,2
1聖マリアンナ医科大学内科学(血液・腫瘍内科)
2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科血液疾患治療開発学
キーワード:
慢性活動性EBウイルス感染症
,
造血幹細胞移植
,
ruxolitinib
Keyword:
慢性活動性EBウイルス感染症
,
造血幹細胞移植
,
ruxolitinib
pp.464-466
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_464
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Summary
・慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)は,EBVがT細胞,もしくはNK細胞へ感染し,クローナルに増殖,活性化する疾患である.
・全身に炎症を生じ,進行すると治療抵抗性リンパ腫や血球貪食性リンパ組織球症となる.
・診断には,持続性,もしくは反復性の炎症症状があること,EBV既感染であることに加え,EBVのTもしくはNK細胞への感染の証明が必要である.
・現在の唯一の根治療法は同種造血幹細胞移植である.
・CAEBVの病態形成にはEBV感染細胞におけるSTAT3の恒常的活性化が関与すると考えられ,現在,その阻害作用をもつruxolitinibの効果を検証する医師主導治験が行われている.
© Nankodo Co., Ltd., 2020