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特集 基礎から学ぶ 咽頭・食道内視鏡診断
[専門医はこうしている,腫瘍性病変の精査]
咽喉頭腫瘍性病変に対する精査のコツ
Tips for detailed examination of pharyngolaryngeal neoplastic lesions
川田 研郎
1
,
辻 啓明
2
,
藤原 尚志
2
,
川村 雄大
2
,
小郷 泰一
2
,
河邊 浩明
3
,
岡田 隆平
3
,
大野 十央
3
,
朝蔭 孝宏
3
Kenro Kawada
1
,
Hiroaki Tsuji
2
,
Hisashi Fujiwara
2
,
Yuudai Kawamura
2
,
Taichi Ogo
2
,
Hiroaki Kawabe
3
,
Ryuhei Okada
3
,
Kazuchika Ohno
3
,
Takahiro Asakage
3
1東京科学大学病院光学医療診療部
2東京科学大学消化管外科学
3東京科学大学頭頸部外科
キーワード:
頭頸部表在癌
,
画像強調内視鏡
,
拡大内視鏡
Keyword:
頭頸部表在癌
,
画像強調内視鏡
,
拡大内視鏡
pp.78-83
発行日 2025年1月25日
Published Date 2025/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001826
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はじめに
上部消化管内視鏡により多くの頭頸部表在癌の拾い上げが容易となり,その内視鏡的特徴も明らかとなってきた。同じ扁平上皮領域である食道癌と頭頸部癌は,初期像が似ており,特にnarrow band imaging(NBI),blue laser imaging(BLI)などの画像強調内視鏡を用いてbrownish areaを発見することが早期癌の拾い上げにつながっている1)。耳鼻咽喉科の内視鏡は画像強調内視鏡を利用できるものの,一般的に解像度が消化器内視鏡よりも劣り,また拡大機能がない。一方で拡大内視鏡は消化管領域において,良悪性の診断や,存在・範囲・深達度診断に広く普及しており,咽喉頭領域でも消化器内視鏡医が拡大内視鏡を用いることで,より精密な診断が行える。よって耳鼻咽喉科医から消化器内視鏡医に正確な診断を依頼されることも少なくない。当院では,食道癌ハイリスク症例に対する経鼻内視鏡による口腔・咽喉頭観察の有用性を報告しており,拡大内視鏡はおもに精密検査時に併用している。本稿では咽喉頭の扁平上皮癌に対する画像強調内視鏡を併用した拡大観察のコツについて解説する。
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