特集 薬にまつわる疑問に答える
耳鼻咽喉科頭頸部外科の共通病態への薬剤投与
好酸球性炎症
中山 次久
1
Tsuguhisa Nakayama
1
1獨協医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
好酸球性炎症
,
副腎皮質ステロイド
,
分子標的薬
,
好酸球性副鼻腔炎
Keyword:
好酸球性炎症
,
副腎皮質ステロイド
,
分子標的薬
,
好酸球性副鼻腔炎
pp.1255-1258
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000319
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はじめに
好酸球は,1879年にPaul Ehrlichにより,細胞内顆粒中の塩基性蛋白が,組織切片の標準的な染色法として用いられている酸性アニリン色素であるeosinによく染まることからeosinophil(好酸球)と命名された1,2)。好酸球は寄生虫感染に対する防御に重要な細胞であるとともに,寄生虫感染が稀になった現在ではさまざまなアレルギー疾患において,自然免疫および獲得免疫の両面から重要な役割を果たしている。また,恒常性の維持,組織再生,感染防御などの寄生虫およびアレルギー疾患への関与以外にも好酸球が持つ新しいさまざまな機能が報告されている3)。
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